『ララランド』は男が考える理想の男の話だった
先日ようやく『ララランド』を観に行きました。お近くの映画館では最終日の最終回。そのせいか観客は多く、楽しい気分で映画を観ることができました。主演はエマ・ストーンとライアン・ゴズリング。観てない人もご存知の通りミュージカル映画です。私はミュージカルはほとんど観たことがなかったのですが、非常に楽しかったです。もともと音楽は好きですからミュージカルを好きになる要素は存分にあったわけですが。最近ではミュージカルではないものの『はじまりのうた』にたいへん感激してサウンドトラックを買い、マルーン5も聴いていました。
『ララランド』に話を戻します。公開前にポスターが話題になり、「日本版のポスターの情報量が多すぎる」だの言われておりましたが、まあ確かに比較されていた海外版のポスターの方がかっこよかったですね。情報過多と言われるポスターには主演の2人どーん、花火どーん、いろんな顔どーんとなっており、そこから分かる通りこの映画は恋愛ものです。男女がどう出会って紆余曲折あってどう結ばれるか、そんな物語となっています。
今回は『ララランド』を観て私が感じた、「ライアン・ゴズリング(セブ)は男が考える理想の男像そのものだ」という感想を書いていこうと思います。
ごりごりにネタバレを含みますので、お気をつけください。
さて、結末は賛否両論と聞いています。
ハッピーエンドと諸手を挙げて言い難いあの結末。好きじゃない人はきっと多くいることでしょう。わかる、非常にわかる。どう考えても最後に2人が付き合って上手くいくのが自然な流れのように見えましたし、「2人はその後結ばれ、幸せに暮らしましたとさ」で終わってもちっとも御都合主義でもない完璧な流れだったように思えます。けれど、そうしなかった。「ミアは急に出てきた謎の男性と付き合ってる…のではなく子供がいるってことは結婚してるのか!!」と驚いた人は私だけじゃなかったはず。付き合ってるだけなら、久しぶりに再会→やっぱり好き→今カレと別れて再びセブと…という流れも期待できましたが、子供が生まれているとなるとそっちの流れはキツイかなと0.3秒間のうちに考えてしまいました。案の定そのままミアとセブの人生は別のものになってしまいました。
しかしこれでいいのです。なぜならセブという人物は男から見るとめちゃくちゃかっこいいから。その理由を説明します。
1 夢を叶えている
セブは念願のお店を開いています。自分の好きなジャズを自分の好きなように演奏し、お客さんに楽しんでもらうというお店を開いています。セブは夢を叶えたのです。かっこいい。
2 1人の女性をずっと愛している
女性とはもちろんミアのことです。ミアはいつのまにか結婚して子供まで産んでいました。物語の終盤でミアがカフェに入るシーン、ミアの顔がどーんと載っている広告を観て分かるように、ミアは女優になる夢を叶えています。となれば当然ミアは一躍セレブの仲間入りですから、熱愛情報だの結婚情報だの妊娠情報だのはおのずとセブの耳に入ってきたことでしょう。それでもセブはミアを愛し続けていたのです。念願のお店を構えましたが、店名はミアが提案した”セブズ”ですし、お店の場所もこだわりを捨てて別の地でオープンしています。それもミアの提案でした。愛している女性の提案だったからこそ受け入れたのでしょう。かっこいい。
3 ミアとの思い出の曲を弾くだけで、特に言葉をかけない
ハードボイルドですよね。音楽に乗せて気持ちを伝える。二度とないこの演奏は他ならぬミアのためです。回想というか妄想するシーン、もし2人がうまくいっていたら…というものでしたが、その最たる違いは一番最初。ぶっきらぼうにならずに素直にミアの言葉を受け取っていればと考えるセブ。こうなってしまったのは自分のせいだと考えるセブ。ミアが間違っていたのではなく、自分が間違っていたと認める潔さ。かっこいい。
4 笑顔
そして最後の笑顔ですよ。愛しているのに他の人の妻となってしまった女性の顔をみて素直に笑顔をおくれる男セブ。かっこいいとしか言いようがありません。
おわかりいただけたでしょうか。セブという人物は最後にとてもかっこいい男になっていたのです。夢を叶え一途に1人の女性を愛し続ける、もう次の恋を始めた方がいいぜなんて友達に言われ「わかってるさ」なんて返事をしておきながらやっぱりミアのことを考えてしまう。そんな男におれはなりたい。
ミアの視点から見てもハッピーエンドで、女優になるという夢を叶え、結婚し、子供もできた。彼女はこの生活に非常に満足しているように見えます。なのでこの物語はハッピーエンドなのです。
最後に、エンドロールでミアのハミングバージョンの”City of Stars”が流れますが、これを「あの後家に帰って夜中ベランダでひとりハミングをしているミア」だと思って聞いているととても良いです。未練というわけでは決してなく、あの頃の素敵な思い出として彼女の中に一生残るのです。そう思ってくれるだけでもセブとしては満足なのではないでしょうか。
『ララランド』はとてもおもしろかったです。エマストーン可愛すぎ映画でしたね。パンフレットも買いました。
ちなみにわたしは観賞後車を運転して帰ったのですが、Apple Musicにサントラがあったので聞いて帰りました。すごく良かったです。これだけで毎月払ってる料金ぶんは元がとれました。1年分といっても過言ではないくらい。
オープニング映像も最高でしたし、DVDが出たらもう一回観ようと思います。
- アーティスト: サントラ,ジャスティン・ハーウィッツ feat.エマ・ストーン,ジャスティン・ポール,ジャスティン・ハーウィッツ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/02/17
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (9件) を見る