マイナスもなければプラスもない
「そんなヤツとは別れちゃいなよ」
女友達の彼氏相談にのってる時に出た言葉。
その後には「おれなら君をそんな目にあわせないし、おれと付き合おうよ」って続けたい気持ちがあった。
その言葉は飲み込んだわけだけど。
何回か彼女から話を聞くうちに、あんまり良い彼氏とは言えないし、いずれ別れることになるんだろうなと思ってる。
じゃあおれでいいじゃん。
とはいかないのが恋愛で。
男としてのプライド、異性としてモテたいという欲望によって、かの相談相手と付き合えないのはタイミングうんぬんのせいだって言いたい。
でもきっと違う。
その彼氏は君にとってマイナスなことがある。
悲しむ、傷付くことが多いかもしれない。
でもその分、いやきっとそれ以上にプラスのことが多いのだろう。
その点おれは確かにマイナスはないかもしれない。自分の行動で君が傷付いていると知ったらすぐに辞めるし謝るし悲しい思いをさせたくないなと頑張る。
頑張っていても、現実的にはマイナスが全く無いなんてことは難しく、小さな事も含めてマイナスは出てきてしまう。
問題はそこではない。
おれはマイナスは無ければプラスも無いのだ。
君はその彼氏に何度も裏切られて涙を流しているが、それを上回る喜び、楽しさ、嬉しさを感じているんだ。
プラスがたくさんなんだ。
総合的にはプラス評価で合格なんだ。
君にとっておれはマイナスは無いかもしれない。でもプラスも無い。だから言葉を飲み込む。
現状、愚痴を聞いて君の悲しみを少しでも減らせていると思えば、これはこれでいいのかもという気もしている。