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何もない一日じゃないはず

頭をひねれば、なにかは出てくる

伊坂幸太郎『砂漠』を読んで大学に期待して入学したのになんだかうまくいかないなーという人は森見登美彦の腐れ大学生系を読め

タイトルが全てです!

大学生は夏休みに入っただろう。大学一年生でも一応一学期を過ごしたのだから、大学生活とはいかなるものか、ということが身に染みて分かったと思う。

大学入学前に伊坂幸太郎の『砂漠』を読み、大学への憧れを抱きながら入学に至った人は多いと思う。私が入学した時も、「『砂漠』読んで大学って超楽しいところなんだろうなって思って入学してきた!」という人が少なからずいた。そして私もその中の一人である。活字離れとか言われている昨今、これだけ読まれている伊坂幸太郎という作家の凄さにはすこぶる脱帽する。かくいう私も「いちばん好きな作家は誰ですか?」と聞かれれば「伊坂幸太郎です」と答えるくらい伊坂幸太郎が好きだ。あの別々だと思っていた物語がスポッと一つにまとまる様子は毎回感動をおぼえる。もちろん『砂漠』という小説は素晴らしく、大学生を中心とするティーンエイジャーにとっては、そんじょそこらの自己啓発本なんかよりずっと自己が啓発されること間違いない。しかし自己が啓発されたからと言って、それを行動に移せるかどうかはまた別問題。それができなかった人の救済措置として森見登美彦があると言えよう。

伊坂幸太郎森見登美彦、共に大人気作家で、90年前後生まれの人間ならばたとえ本を読む習慣が無くとも聞いたことのある名前だろう。私自身が伊坂幸太郎が好き!と断言するように、この世代には伊坂幸太郎が好き!森見登美彦が好き!と声高に叫ぶ人間が少なくない。私の友人に「みんなが伊坂だ森見だ言うから逆に読みたくない」みたいなひねくれ者が現れるくらい彼らの存在感はデカい。

ふと手に取ってしまったのだろう『砂漠』を。その本はごく一般的な大学生がいろいろ体験していく話だ。主人公はそこまで活動的な人間ではない。とりあえず大学の授業には出ようと全出席を心がけるとても良い青年だ。そんなマジメな青年でも大学で知り合った人間との関係であそこまで楽しそうな毎日をおくれるとあっては、誰もが大学生活というものにあこがれを抱いてしまうのも無理はない。あれほど楽しそうな大学生活は他に見たことが無い。楽しそうというよりも、明らかに充実しているのだ。大学入学前に読み「自分も頑張ろう」と思い行動に移せたのならばそれはそれで結構。きっと楽しい大学生活をおくることができただろう。しかし、大学4年や卒業後に読んでしまえば、自分の大学生活のあまりにもつまらなさ、味気なさにショックを受けてしまうこと間違いない。

なのでここで強調しておこう。

手遅れになってしまう前に言う、伊坂幸太郎の『砂漠』は決して読むでない!!

 

砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

 

 

だが大丈夫だ。これをしたら人生終わる、なんてことばかりではないのもまた人生。一度の過ちで全てが終わってしまうことはない。取り返しはつく。確かに伊坂幸太郎の『砂漠』は名作であるし、面白い。ホラー映画を怖い怖いと言いながらもついつい観てしまうのと同じように、後悔すると分かっていても読んでしまう、そんな気持ちも私は熟知しているつもりだ。

そこで森見登美彦の腐れ大学生シリーズがある。シリーズ化されて分かりやすくはなっていないので注意されたし。例えば

 

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

 これとか

 

四畳半王国見聞録 (新潮文庫)

四畳半王国見聞録 (新潮文庫)

 

 これとか。

これを読めば『砂漠』で意気込んだはいいがなんだかうまくいかない、そう思っているうちに一学期が終わっちゃった、とか、ああ私の大学生活ってなんて味気なかったのだろう、とかの後悔から逃れることができる。ついでに自分のすみかを愛するようになり、なんだか自分のところだけへこんでいるように思えてまるでアリジゴクのようにでれなくなり、そのまたついでに京都へ行きたくなることだろう。

ああ、私はまだここまでは落ちていないはず、と思える大変貴重な一冊となっている。(なぜかこんな生活に憧れてデフレスパイラルに陥りますます沈んでいき謎の文章を書いたりする私のようにはならないでいただきたいが)

 

これはみなさんを心配して書いているのだ。決して伊坂幸太郎『砂漠』は読んではならぬぞ。もし仮に読んでしまったら、書店で購入しようと思ったのならば、一緒に上記の本も買いなさい。