何もない一日じゃないはず

頭をひねれば、なにかは出てくる

削れっ!削るんだっ!!

 

ヘミングウェイの「氷山の理論」というものがあります。作家は書きたいことのすべてを書く必要はない。なぜなら読者は省略された部分を容易に想像できそれにより面白味を増すことになるから、というものです。

 

これは小説の書き方として述べられた話です。この話は現在の出版業界でも広まっているらしく新人作家はよく「もっと削ってほしい」「読者をなめるな」「こんな細かく書く必要なんてない」と言われるそうです。作家側としたら「こんなに削っていいの?」という印象を受けるでしょうが、実際に読み手側の私たちは「この本全然詳しく書いてないからわかりづらいな」なんて思ったことはないので真理なのでしょう。

 

これは小説だけの話に限らずブログやツイートなどの文章を書く際にも当てはまる気がします。

 

いちいち事細かに説明し長文になってしまうと読む側は途中で飽きてしまいます。twitterでも面白いツイートが長文(140文字めいっぱい使う)とは限りません。むしろ短く核心を突くツイートの方が心に残ることが多いです。ツイートがいくつも分かれてるやつって読みづらくないですか?それが4つ以上になってくると面倒で途中で読むのやめちゃいます。

 

文章を書くということは何かを伝えたいからがゆえの行動でしょう。私がブログを書く際にも何か伝えたいフレーズなり一文があるから書いています。思い返してみれば伝えたいことが明確に決まっていない文章を書き始めると途中で躓くことが多く、分量も少なくなりますね。小説では伝えたいことを効果的に見せるために物語の流れを構成して長い助走を取っているとも考えられるのでなんとも贅沢な体験ですね。

 

また、人に対して憧れや尊敬の気持ちを抱くプロセスはその人のことを良く知らないから起こるらしいです。「私が見てない知らない間にこの先輩は凄い努力をしているんだろう」「この人はいま真剣に覚えようとしているんだろう」となんでもプラスに考えるから尊敬や憧れの気持ちが生まれるのだそうです。本当は全然練習をしてなかったり、早く帰りたいとか思ってるかもしれないのにです。これをふまえると先ほどの文章をなるべく削る話も「書かれてないところは読者の想像に任せることになり、それが勝手に良い方に捉えられる」ということになるのだと思います。ヘミングウェイはさすが良く知ってますなあ。

 

推敲あっての削る云々ですから文章を書くときにこれでOKか考えるのは大事なんですよね。でもtwitterくらいは気楽につぶやきたいですな~。